三連休万歳。
日記でこっそり意思表示していた、デル戦未来話(in三千世界の鴉を殺し)をアップします。
一応登場するのは医者スキルのある二人のみ、研修医設定なので二人とも二十代超えてます。精神年齢は考えちゃいけない。
今回は三千世界キャラ出ていませんが、それでも宜しければどうぞ。
***
惑星バーミリオン。
直通の宇宙船どころか、連邦本部から片道一ヶ月もかかる『銀河の最果て』。
宇宙放浪暦が長い海賊夫婦にすら『それどこ?』と首を傾げさせた、殿堂入りの宇宙の端っこ。
そんな惑星に今、厄災召喚レベルではどこぞの堕天使並み、いやむしろ軽く超えるかもしれない、二人の若き医師見習いが降りたっていた。
「……」
「……」
「……こりゃすげえ」
「……というか壮絶?」
「見渡すかぎりなーんもないぜ? どんなド田舎だよ」
「うちの実家より辺境惑星があったなんて、宇宙って広い……」
地平線まで見渡すかぎりの、岩山と砂漠。
流石に空港の周辺は街並みが広がるものの、ちょっと目を凝らせば見えなくなる程度。
開発の二文字とは縁遠い田舎っぷりに、ヒビキとレティシアは言葉を失った。
バーミリオンを初めて訪れた者が確実に陥るカルチャーショックに、空港の職員が苦笑している。
想像を超えた田舎っぷりに絶句しているヒビキに、レティシアが片方の唇を吊り上げる。新任早々やらかしてしまった罰とはいえ、今更『左遷』『窓際』という言葉が身に染みてきたらしい。
「後悔してるかい、姉さん?」
「え? いや、別にそこら辺はもうどーでもいいんだけどね……さっき『宇宙戦隊ギャラクシアン』の初回をリアルタイムで放送してるのを見たら、流石に切なくなったというか……」
「……ああ、確かにな……」
五年前までは電気すら知らなかった元暗殺者も、今じゃ見事な現代っ子。
そろそろ最終回に迫りそうだった特撮番組(全話視聴済み)が、今まさに伝説が始まろうとしているのを見てしまうと、正直泣ける。
「……とりあえず行こっか。カーマイン基地軍病院だっけ?」
「乗り継ぎも面倒だし、車捕まえようぜ。この寂れ具合だと交通機関も怪しいしな」
「そんな本当のこと言わないの。ええと、乗り場は……」
宇宙港の外にぽつんと立っている、停留所に向かおうとした、次の瞬間だった。
――閃光が轟いた。
耳を劈くような爆音が響き、立っているのも難しいほどの風に煽られる。
襲いかかる空気の圧力に息ができなくなり、激しい耳鳴りに思わず両手で耳を庇う。爆風から逃れるようにしゃがみこみ、苦しい、と思う間もなく時間が流れていく。
耳と目がようやく回復したヒビキは、そして本日二度目の絶句をした。
「「……」」
決して脆くはない宇宙港が、瓦礫と化して崩れ落ちていく。
先程とは立っている場所が違うことから察するに、レティシアが比較的安全なところまで誘導してくれたのだろう。荷物も無事なのはさすがと言うしかない。
しかし、これは……。
「こりゃまた随分と豪勢な出迎えなことで」
「うん違うよね。テロだよねこれ」
躊躇ないツッコミは、この四年間で培われたものだ。
というか、もはや爆発程度では驚けなくなった自分が悲しすぎる。あの頃の平凡でも純粋だった私を返せ。
一瞬多分可愛かった過去に記憶を飛ばしていたヒビキは、人の悲鳴やうめき声に我に返った。
到着して三十分もしないうちに出番って、どうなんだろう。
「ほら、行こう」
「何処に?」
まかり間違っても医者(見習い)の台詞ではない。
本気で不思議そうに尋ねてきたレティシアに、今更咎めたところでどうなる訳でもないと知っているヒビキは、軽くはない荷物を背負い直しながら爆心地を指差した。
「怪我人の治療でしょ。ろくな道具持ってないけど、宇宙港から借りればいいし」
「ただ働きかい?」
「じゃ、ついでに救急車で軍病院まで送ってもらおう。この騒ぎじゃバスも動かないし、タクシー代が浮く」
それだけ言い残すと早足で駆けていったヒビキの背中を見送りながら、レティシアもまたやれやれとため息をつきながら後に続く。
「姉さんも俺の扱いが随分上手くなったことで……」
デルフィニア戦記の夢がとても好きです。ヒロインの設定もさることながら、ヒロインたちの掛け合いがおもしろくてたまりません。ギャグシーンでは読みながらパソコンの前で噴き出してしまうほどです。
今回の小話も、滅多にない設定で、続きがとても待ち遠しく思っています。もちろん連載の本編もですが。
これからもどうかお体に気をつけてサイト運営、頑張ってくださいね。
最後になりましたが、私のサイトにリンクを張らせていただきましたことをご報告いたします。
乱文失礼いたしました。では。